「心の中にはいつも天秤を用意しておいて、片方の皿に、志望校合格とか、自分の手に入れたいものを置く。そうして、反対側の皿の上に、努力を積み重ねていく。そうすると、そのふたつがつり合うときがやってくる。そのとき初めて自分の手に入れたいものが手に入る。
とてもシンプルで、当たり前の説明だが、ほとんどの中高生が、この天秤を用意していないから別のことを期待しているというのがあいつの説明だった。つまり、片方の皿に置いた手に入れたいものよりも、ずっと小さい努力しか反対の皿に乗せていないのに、これで何とか、手に入らないかなぁって期待するような生き方ってことだ」
(「秘密結社Ladybirdと僕の6日間」喜多川泰著より)
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